パドルの選び方

正方形

パドル

ジャンルによって長さやブレードの形状、必要となる強度が異なります。パドルはジャンルが決まってボートを購入する際に一緒に購入しましょう。

素材

一般的には、ポリエチレンなどのプラスチック樹脂性のブレード、アルミ製のシャフトのパドルが安価ですが、安価なものほどブレードが柔らかく漕ぐ時に変形するためしっかりと水に力が伝わらずボートに必要な推進力を与えられないことがあります。また強い負荷が掛かったときにシャフトが折れる事もあります。

シャフトやブレードの素材にグラスファイバー、カーボンファイバーなどの繊維強化プラスチックを使ったパドルは十分な強度を備えて折れにくくさらに重量が抑えられるため快適にパドリングできます。
一般的にグラスファイバーのパドルは柔らかめで体への負担が少なく、強い衝撃が掛かった時も粘るため折れにくいといえます。
カーボンやケブラーなどを使ったパドルは硬めでしっかりと水に力を伝えますがその分体への負担は大きく、硬いために強い衝撃がかかったときにはねばりがなく折れやすいともいえます。
尚、繊維強化プラスチックブレードの先を岩に突いたりこすったりすると削れや積層のはがれがおこるため、パドルの取り扱いに慣れていない初心者が使うとすぐにブレードが削れて小さくなってしまうことがあります。
繊維強化プラスチックで作られたパドルでも、安価なパドルは積層が少なく強度が低いこともあるので注意が必要。高価なパドルは強度を保ったまま余分な樹脂を減らして軽くするなど性能をあげるためにより高度な成型方法が使われている場合が多く価格に見合った性能を備えています。

シャフトの形状

大きくわけてシャフトが真っすぐなストレートシャフトと握る部分が曲がっているエルゴノミックシャフトの2種類があります。一般的にストレートシャフトの方が安価です。
クランクシャフトは製造が難しい分価格があがりますが、キャッチ(ブレードで水をつかむ)時により自然な角度になって手首や肩への負担が少なくなります。持つ位置が限定されるので初心者は握り位置が決まりやすい(ずれにくい)のもメリットです。

フェザリング角度

パドルには、水中から出ている方のブレードが風の抵抗を受けにくくするためフェザリング角度が設定されています。角度の設定はジャンルによっても異なり90度、60度などの大きなフェザリング角度のパドルは風の抵抗を受けにくく、風の影響をあまり気にしなくてよいホワイトウォーターカヤックでは角度の低いものが好まれます。

分割式のパドルは角度が調節できることもあります。角度の調整ができない通常の一体型のパドルで左利き用に角度が逆につけられているモデルもありますが、あまり一般的でなく入手も難しいためほとんど一体型のパドルが使われるホワイトウォーターでは左利きの人でも右利きのパドルを使う事が多々あります。

ホワイトウォーター

ホワイトウォーターで使用する場合、最初は安価なプラスチック樹脂製のブレードのパドルを選び、上達するに従ってグラスファイバーやカーボンファイバーのパドルに変えて行くのがおすすめです。予算は気にしないという方であれば最初からグラスファイバー制のパドルを選んでも良いと思います。

湖や海

湖や海などで使用する場合、パドルを削る心配がなければ最初から繊維強化プラスチック素材のパドルを使うのも良いと思います。長い距離を漕ぐパドラーほど軽いパドルが有効でしょう。
また、海や湖で使用するパドルは長いパドルを使う事が多いため、2分割や4分割のパドルであればコンパクトに収納し楽に持ち運べます。ただし分割している分接合部の強度が落ちます。安価な分割パドルは接合部の精度が低く”ガタ”が出やすく強度が低いパドルがあるので注意が必要です。

パドルは、価格重視で選ぶと後悔することになる可能性が非常に高いので、きちんと用途に合いできるだけ性能が高いモノを選びましょう。
折れるなどしてゴミになると処分も大変です。
またゆくゆく上手になると予備パドルが必要となるため、最初にできるだけ良いものを選びましょう。

長さや形状などはカヤックのジャンンルによって異なるのでジャンルが決まったら経験者やショップに相談して検討しましょう。